金属素材の種類と選び方
工業関係、建築関係だけにかぎらず、日常生活においても高い汎用性を持つ素材が金属素材です。ちょっとした日曜大工やホビーなどでも使用されることが多く、金属素材は以前に比べはるかに身近な存在になっているのです。今回は、金属素材を取り扱う会社や工場はもとより、一般の方が読んでもわかりやすいように金属素材の種類や選び方について説明していきます。
金属素材とは
日本工業規格によって成分や強度などが細かく決められています。それぞれの金属素材は細分化を図るために、金属や製品規格を表すアルファベットと種類や含有量を示す数字による材質記号を用いて区別されます。
金属素材の種類と選び方金属素材を選ぶには、まず必要な材質を選び、次に使用したい部位に合わせた厚みのものを選ぶようにします。 |
金属素材の種類と選び方
金属素材を選ぶには、まず必要な材質を選び、次に使用したい部位に合わせた厚みのものを選ぶようにします。
鉄(スチール)もっとも汎用性の高い金属素材で加工性にすぐれ、溶接も容易です。価格が安く含まれている炭素量が少ないため、焼き入れによる強度が期待できないSS400と、焼き入れによる強度の上昇が見込めるS50Cなどがあります。 |
特殊鋼工具などに使われることの多い特殊鋼には、熱処理しやすいSK3、耐摩耗性、被削性にすぐれたSKS3、靭性にすぐれたSKH51、熱処理のあとの変形が少ないSKD11などがあります。 |
アルミ導電性が高く熱伝導率にもすぐれている特性を持っているのがアルミです。切削性にすぐれたジュラルミンや高い強度をほこる超々ジュラルミンもアルミ合金に分類されます。 |
ステンレス耐食性・溶接性にすぐれており、磁力に反応しないSUS304や、加工性は高いものの耐食性が若干落ちるSUS303などがあります。 |
砲金銅・亜鉛・鉛・すずからなる合金で耐圧性、耐摩耗性、被削性に高い耐性を持っています。 |
銅純度99.9%以上の含有率で耐食性、耐候性に特化したタフピッチ銅があります |
真鍮配線機器などに用いられることの多い真鍮は、銅と亜鉛の合金でC2801という材質記号で表記されます。 |
チタン強度、加工性ともに高い数値を示しているのがチタンです。熱交換器をはじめ、食器や装飾品など多岐にわたって利用されています。 |